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高くなりすぎて指導できないので、社会体育移行という1つの話になっているということだった。大分の競技力とは何かという調査結果もふまえ、競技力とはどういうものとしてとらえているか、もう一度まとめたい。
大分県 初めは全中や国体で好成績を修めることが、競技力向上と考えていたが中学校の指導者としては、むしろ、精神的な部分を鍛えることが、好結果に結びつくのではないかという意識にたどりつくことができた、ただ、調査の時期やアンケートの選択肢の関係で、このような結果になったのかもしれないが、部活動のとらえ方として、大きな大会で成果を修めるよりも、底辺の拡大を求めている指導者が多いのではないかと思う。
司会者 徳島から1つの際だった取り組みを紹介してもらう中で、いろんな成果を話してもらったが、このあたりが滋賀の提案の後半の部分と係わりがあると思うのだがどうだろうか。
徳島県 正直言って、国体という魔物があったから、このような特殊な動きができたのではないかと思う。とても普通の状態の中ではこんなことは考えられなかったと思う。反省点としてまず1つ目は、担当者の負担が大きすぎるということ。疲労も大きいし、大げさでなく命がけであった。終日の試合、車の運転等たいへんであり、最後の方は新幹線を利用した。2つ目は、今勝つことにこだわり、基礎基本よりそのことを重視してしまったこと。3つ目は各校の中心選手が抜けるので、チームの活動が停滞してしまったということ。このようなマイナス面があった。
司会者 国体は魔物という話だが、それぞれの県でも同じ苦労を体験されたのではないかと思う。強化と指導者の負担、しいてはそれが、学校での教師の顧問減少とつながっているのではないか。そのあたりはどうか。
滋賀県 土日も家族サービスができないわが家の現実から、卒業生に指導を頼んだり、第2・4土曜日にやって日曜日は活力を養うための休養日にするなどの方法をとった。このように指導者が思い切った発想の転換をしないと、部活動のために家庭人として動けないという悩みは解決できないのではないだろうか。
司会者 競技力の向上をめざせば、片側ではこのような大きな負担になる。このあたりと今後の中学校の部活動のあり方とを結びつけて、感想を述べてもらえないだろうか。
新潟県 5日制は、全国的な問題だと思う。本県も同じ問題をかかえている。今、子どもの部活動への期待は多様化してきている。ただ強くなればよいのではなく、いろんな種目をやりたいとも思っている。ところが、現状は、子どもの数の減少・部活動の数の減少・指導者の減少等である。そんな中で5日制の主旨を生かすのは大変難しい。本県も申し合わせとして、第2・4土曜日はしないということになっているが、いずれにしても競技力の向上を中体連の立場から考えて指導する時大切にしなければならないのは、生徒の多様化する希望に私たちはどのように答えていけば良いのか、そめためには、毎週土曜日が休みになることも考えて、今後中体連として地域や民間団体と連携して、活動の場をどう保障していけば良いのか、をぜんたいで考えなければならないと思う。個々で負担が大きいからどうすればよいかという問題ではない。本県も保健体育課を中心に、部活動検討委員会で土日の組織的なあり方を検討中であるが、なかなか難しい状況である。3人のパネラーの方に、今のようなことも私たちに示唆してほしい。
司会者 外部機関との連携については、第4分科会で主に話し合われているので、あまりつっこめないが、いわゆる中体連の組織・競技力の充実の観点から、そのものも横にはおいておけないであろう。また、これからの部活動をどう考えるかという問題で、子どもの期待に答えるためにはどうすればよいかを、考えなければならない。種目の多様化のみならず、中身の多様化にも答えなければならない。このあたりをさぐりながら、もうあと少しの時間だがどんどん意見を出してもらい、まとめにしていきたい。
長崎県 私の県も滋賀と同様調査をして探っている最中なので提案の中の部活不要論・必

 

 

 

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